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『猪突盲進』-原田燎太郎

World as One Family by Work Camp

今日もダメ…

今日は快晴。しかし、蘇瑞潮さんは許さんを病院に連れて行かないという。まだ道がぬかるんでいるからだ。私はその道を自転車で走り、師範学院にいく。

現実的な医療改善策

ジエシャン、チァロンは言う、

 「いつまでも許さんが病院に連れて行ってもらえないようだったら、20日に許さんを病院につれていくよ」。

 リンホウの医療を改善する現実的な方法はこれだろうか。つまり、村人の誰かが体調を崩したとき、師範学院の学生がその人を病院に連れて行く。その費用は、彼らが集めた寄付で賄う。場当たり的な方法だが、いちばん実現可能性が高い。

テレビの協力で社会に広く寄付を訴えられる可能性もある。ジエシャンは今日、以前リンホウを取材したテレビ局の人に偶然出くわした。彼女の提案に彼は賛成したという。ただ、今回の場合は時間が足りない。リンホウの取材をするためには衛生局の許可がいるからだ。

邱プラン

4月21日に潮州に来て以来、初めて師範学院の構内に入る。邱学部長とリンホウでの活動について話し合う場をジエシャンがつくってくれた。以前チャン=ジョンウェンらと話し合った活動計画と邱学部長が考えているプランとが食い違うと厄介だ。後期からスムーズに活動を始めるため、はっきりさせておく必要がある。ジエシャンの通訳で話を進めていく。

 ―邱学部長が考えているリンホウでの活動の内容はどんなものですか。

 「細かい計画はまだない。学生たちに任せる。法に触れることさえしなければ自由にしてもらって構わない」。

 ―何人くらいの学生が参加し、彼らをどうやって組織するつもりですか。

 「今のところ10人くらいだな。外青隊を2つに分け、そのうちの1つがリンホウでの活動にあたる。中心となる学生を探さなければならない」。

 ―活動の継続性についてはどうですか。

 「新入生が入ってくる限り、毎年つづける」。

   *

要するに、邱学部長は特に計画を持っていないようだ。突っ込んだことを訊くと眉間にシワを寄せてポツリポツリと話す。ただ、これはむしろ幸いなことだ。学生たちが自由に活動内容を決めることができるからだ。

別れ際、リンホウでの活動の意義を強調しておく。学生がハンセン病快復者の村を支援することの意味について、その活動が中国という外国の支援があまり入っていない国でなされる意味について、IDEAというハンセン病支援の国際的なNGOや日本の財団などもこの活動を注目するだろうことについて。邱学部長の眉間からシワが消え、笑い声が出る。

今日のイタダキモノ

郭さん:ごはん