漢字で意思が伝わる面白さ
マークは6:00前に起きた。寒さで目が覚めてしまったという。潮州語の「ニーハオ」である「ルーホー」を習った。発音にかなりうるさい。
郭さんと水くみに行った。Markもついていった。真人も。許炳遂宅。Markの通訳によると、「HANDAと雄志とお前は来たね」と覚えていてくれた。九月には会っていない、臙脂色のニット帽をかぶった人が一緒にいる。名前をノートに書いてくださいとお願いすると、震える手で「曽繁餘」と書いてくれた。
写真を撮ろうとすると、涙を拭きながら後ろを向く。写真が嫌いなようだ。部屋の前には植物の実が干してある。のどの薬らしい。
蘇振権宅。指のない、年齢不詳さんは許松立という。蘇さんもおれのことを覚えてくれていた。
水くみ後、Markに村人とあっての感想を尋ねると村人は隔離されていたためか、Quite Politeで、Comfortableで、普通の人よりfriendlyだという。Markに彼らは隔離されてきたから、Markが来てうれしいんだと話すと、横を向きながら何度もうなずき、「I understand」と言った。
許宏広さんはいなかった。真人は彼の部屋が片付けられており、日めくりは29日で止まっていたと言った。
8:00に医院で朝食。昨日と同じメニュー。朝は普通おかゆを食べるそうだ。
9:00から蘇さん(建設業者)と交渉開始。ヴィヴィアンが送ってくれた設計図の項目をMark、Jason、Hummerの通訳で確認。職人の数なども確認した。契約書を書いてくれというと「こんな小さな仕事で」とかなり面倒くさそう。支払い方法は資材費4000元を前払いで、完成後、残りを払うというもの。日程的に完成を見ることができないが、そこは信頼するということにした。
その後、買い出し。Markと陽子とおれ。おれは許さんの、Markと陽子は黄組長の後ろに乗って行った。マーケットは昼飯時を過ぎると閉まってしまう。帰りは荷物が大きすぎるので、Trycycle2台で。途中のトンネルは長い。司会はゼロ。自分という存在が不思議になる。目の見えない人はこんな心境なのだろうか。村に着くと、Trycycleの運転手はここはかつてハンセン病の村だったんだよなという。手を顔の前で左右に振りながらなんか言っている。Markは代金を大目に払ったと言っていた(36元)。彼にここの人はみんなCuredだと伝えるようにいうと、「OK, OK, He know」と言ってた。
その間、真人は2人の学生といた。2人は医院でテレビを見ようという。それでは無意味なので、真人は2人を誘って部屋の掃除をしようといい、村人の家を回った。真人ら日本人は曽さんと許さんの部屋に入った。Hummerも何とか入ったが、Jasonは3歩離れたところに立っていた。Hummerのアイコンタクトにより、しぶしぶJasonも入った。2人はあまり村にいたく無そうだったので、真人は医院に行った。
おれと陽子が買い物後、医院に行くと、Jasonはこれから帰るという。昨日彼が言っていた「Worry」の内容を説明してくれた。村はInconvenientだった。初めての経験だし、村ではなく、医院にいたい。これは普通の反応だろ?安全について心配している。想像もつかないことが起こるかもしれない。この企画はGreat Challengeだし、多くのことに共感するので、土曜日には戻ってくる。
15:00から台所づくりと草刈り。ガス代を長屋Aのトイレ建設予定地側に置いた。孫さんがガスレンジとプロパンをつないでくれた。手伝わせてくれない。Markと組長には指示を飛ばして手伝わせている。ガスレンジを部屋の外側に置くと、方さんが鎌を持ってきて草を刈り始めた。郭さんも鍬で草を刈る。刈った草を郭さんはかごに入れて捨てる。村長が捨てる場所を指示。手振りで鎌を貸してくれるよう頼むと、孫さんが持ってきたが危ないからと自分で刈り出した。何とかお客さん待遇を脱したいおれは、郭さんの刈った草を捨てに行った。方さんのも。村長が捨てる場所を指示。他にも鍬があったので、真人と草を刈る。組長とMarkも草を刈ったり、捨てたり。一同がワークを通して対等関係に近づいた。Markの通訳を通して笑い声が起こる。水くみを郭さんが替わってくれた。郭さんのげっぷ。黄行政組長とMarkは意気投合した。草刈りの途中から語り始め、将来のことを話していたという。今後、Markは彼を訪ねて村に来れるのでは。
黄組長は兵役後、リンホウ医院に配属されたという。
この日、Markは医院で寝た。飯の後、風呂に入り、飲んだ。Markは寒いギャグを英語で長々と語り、受けずに落ち込んだ。陽子に「バカ」というギャグで陽子を怒らせたと心配していた。泉が1人銀マットに座れないでいると、Markは一生懸命座らせようと進める。
Markに潮州語を習い、MDに録音した。:
What is this?:チャガミガイ
Delicious:ホーチャ
I love you:ワーアイルー
Beautiful:ハオニャ
How much?:ジジャグン
You are powerful:ラックウェホー
Good night:ムンアン
Yes:ディェッ
Markが帰った後、泉が村長宅(長屋A)の前で孫さんも交えてしゃべってた。おれもそこに行って筆談した。Markは何で帰るんだと聞かれ、「他勉強英語」と書く。「你蘇先生、村長」と書くと、とてもびっくりした顔をした。「我来九月」と書くと、「おー!おー!」と言っていた。「我原田僚太郎」と書き、「你的名文秀」「我知九月你的姓名」と書くと、「おー!おー!」と驚いた様子だった。村長は部屋に入り、日めくりカレンダーの裏に「有事通知他」「我今年74歳」と書いたので、24歳であることを伝えた。「你住在日本或中国?」と聞くので、「我住在日本」と答えた。どうも村長はFIWCについて知らないらしい。「你来時候在日本来」と村長が書くので、「10月31日→11月17日」と答え、地図付きで日程を書くと、村長は大声で付近の村人たちに話して伝える。また、今後のワークの予定も書いた。村長は「現在這里現住13人」と書いた。13人?と驚いた。ふと、真人が許宏広さん宅について話していたことを思い出し、「許宏広?」と書くと、村長は引きつったような顔をし、「天這人」と書いた。「九月幾号?」と聞くと、彼はただ「他死」と書いた。
「你都是留学生」と聞かれ、「我是日本的学生。我勉強於早稲田大学」と書くと、「おー!」といい、「有名大学。我見報紙発表」と書いた。さらに「你們前途光明」と言ってくれた。
村長の隣の部屋の孫さんを示しながら、「他的姓名?」と書くと、「孫鑾盛」と村長は書いてくれる。